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添乗日記

私が添乗員になったわけ

最初に勤めた会社を辞めて、貯金も使い果たしアルバイトにも飽きていた頃、知人から

添乗員を知り合いの会社が募集しているから、やってみない?」

と言われ、気軽な気持ちで面接を受けた。

「何をする仕事なんですか?」

という私の質問に、

団体旅行についていって、航空券ホテルのチェックインなどの手続きをやる仕事です」

と簡単に説明され、簡単に納得してしまった。

あの時、もう少し私に知識があれば、添乗員の実態を知っていれば、、、選ばなかった仕事かも知れないって思ったりもするが、このときの私は、旅行なんて祖父母のところに行くぐらいで、なんの興味もなかったから、団体旅行がどんなものかさっぱり理解していなかった。

「とりあえず旅行について行って、チョコチョコって手続きするだけで、一日4,000円もらえる。私にもできそうな仕事。」という大見当違いを犯した。お客さんにいろいろと要求されたり、文句を言われることも考えなかったし、飛行機ホテルもパーフェクトに用意されているものだと信じていた。

とにもかくにも、こうして私の12年あまりの「添乗員」生活は、わずか10分の面接で決まってしまったのだ。

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